やまももシンフォニックバンド第10会定期演奏会のプログラムノートを、本番に先立ち大公開!
今回はやまももシンフォニックバンドといえばまさにこのお方!!音楽監督・指揮者の『甘粕カントク』の直筆です😳✨
演奏会前の予習としても、読み物としてもどうぞお楽しみください🤗
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指揮者による本日のお品書き
甘粕宏和
記念すべき第10回定期は、第6回定期のプログラムノート以来の「指揮者による本日のお品書き紹介」復活です。
2014年3月2日、第1回定期A.リード博士の序曲「春の猟犬」から始まったやもも定期のあゆみ。そこから紡いできた音楽の物語も今日で第10回を数えるまでになりました。すべてのコンサートに出演しているのは団長の市原さん、事務局長兼お財布番の中島さん、そしてピッコロの松尾さんの3名のみ!(ぼくも全部出てますけど)
今回で10分の9のメンバーも結構いますし、楽団初期の頃は客席で聴いていましたっていう若者グループもたくさんいますし、今回が「初もも」のフレッシュなメンバーももちろんいます。
学生時代の部活動などと違って「おわり」が明確に規定されずそれぞれのライフスタイルによって「やる・やらない」は自らが決めていく”任意団体“がこうして続いていることは本当にキセキのように素晴らしいことだとあらためて感じさせてもらっています。
生活の基盤が大きく変わっても地方団員として活躍する猛者(ホルンの奈良さんやクラリネットの橋本さん、チューバの長谷川くんも!)も少なからず在籍していますし、やまももが生活の一部になっているメンバーも多数いてくれて、コロナ下でも数名で音楽の種火を消すことなく続けてきてよかったなぁとしみじみ。
BBQ(コロナ以降できてないなぁ)や屋形船などアクティビティーも充実しているやまもも、我こそは!という方はドシドシ遊びにいらしてくださいね。
貴重な日曜日の午前中をやまももに充ててくださるメンバーはもちろんのことながら、本当にたくさんの方々の絶大なるお力添えによって今日があります。
本日足をお運びくださったみなさまに感謝を伝えるには、いい音楽♪をお届けすることだと思っています。
持てるすべてを客席のみなさまとシェアするべく臨みますので、どうぞリラックスしてお愉しみください!
前置きが長くなりましたが笑、本日の10定期は大人気作曲家 高橋宏樹さんによる「やまももファンファーレ」で幕を開けます。今日のこのコンサートのために書き下ろしてくださったこの作品。壮大なはじまりとともに、すぐ「やまももシンフォニッックバンド〜」とそこかしこからやまびこのように聴こえてきてとても愉しくそして”シンフォニック”な作品です。初回音出しからみんな大喜びで、これから末長く愛し育てていきたいと思います。宏樹さんありがとうございます!
続いてはこちらも全世界的に大人気な作曲家、生粋のロンドンっ子で72歳のフィリップ・スパーク33歳の1985年に作曲された「祝典のための音楽」。彼の作品はこれまで「宇宙の音楽(※2定期)」「陽はまた昇る」「オリエント急行(※4定期)」など割と取り上げていて、相性抜群!(と思っています。)祝祭ムードに溢れたこの曲はファゴットが大活躍するわけですが(スパークの奥様はファゴット奏者)、今日はやまももを作り育て守ってきた市原団長にご注目ください。
ちなみにやまもも演奏頻度ランキングはもちろん1位福島弘和さん(「おきなぐさ※語り・ささの堅太さん」「ホルン協奏曲※委嘱初演・福川伸陽さん」「クラリネット協奏曲※委嘱初演・伊藤寛隆さん」「とぅばらーま※大編成版/ホルンと吹奏楽版」「ラッキードラゴン※語り・岩崎里衣さん」「戦場から妻への絵手紙※大編成版初演/今野絵理香さん(ソプラノ)、中村祐哉さん(テノール)」「交響曲ト調※吹奏楽全曲版初演(こちらはCDにもなっています)」「行進曲『春』」「手袋を買いに」「かたあしだちょうのエルフ」「鳥たちの歌※7定期コロナ禍により中止)、2位はA.リード博士(「春の猟犬」「エルカミーノレアル」「アーデンの森のロザリンド」「メリー・ポピンズ」「ラフーン※クラリネット・伊藤寛隆さん」「映画『80日間世界一周』」「枯葉」「ギャロップ」「パ・ドゥ・ドゥ」「アルメニアン・ダンス パート1」「フニクリ・フニクラ」)、3位は真島俊夫先生(「行進曲『五月の風』」「芭蕉布」「前奏曲『アプローズ』」「コーラル・ブルー」「モリコーネ・パラダイス」「鳳凰が舞う」「モンマルトルの小径」「イスパニア・カーニ」「聖者の行進」「M.ルグランの世界」「ウォルト・ディズニー・ソングブック」「コンサート・マーチ『東風』」)やぼくが大好きなグレインジャー(「コロニアル・ソング」「岸辺のモリー」「ガム・サッカーズ・マーチ」「マールバラ公爵のファンファーレ」)や酒井格さん(「森の贈り物」「行進曲『南鳥島の光』」「三角の山」本日のアンコール「メルヘン」)が上位ランキングです。
さらに余談ですが、同一楽曲の最多演奏曲はぶっちぎりで高橋伸哉さんの「レールウェイ」。音楽鑑賞教室では必ず1曲目に演奏していて、指導用DVD「だれにでもできる吹奏楽」シリーズでも取り上げるほどお気に入りで、10人で十分音楽できますのでオススメです!
また話が曲目解説から離れましが、スパークの次はフレンズゲストステージです。
ユーフォニアムの大山 智さんをお迎えして演奏するのはオーストリアの作曲家、6月6日に58歳になったばかりのトーマス・ドスの「エレジー」です。原曲はヴィオラと吹奏楽のための作品で、出版されている楽譜にはアルト・サクソフォーンソロなども想定した楽譜が同封されていますが、絶対ユーフォニアムソロでも合う!と確信し大山さんにオファー。リハの段階から魂が浄化されるような美しい響きに一同ウットリです。
さらに、フレンズゲスト読売日本交響楽団からお二人、フルートの片爪大輔さんとクラリネットの芳賀史徳さんをお迎えして、フランスの作曲家サン=サーンス若き日(22歳!)の作品「タランテラ」を演奏します。
伝説上の毒蜘蛛タランチュラに噛まれたら毒が抜けるまで踊らなくてはならない…、という言い伝えをお二人のヴィルトゥオーゾでお楽しみください。
前半の最後はやまももメンバーによるソロまわしをご堪能いただきましょう。
フランスの大家モーリス・ラヴェルの「ボレロ」を岩井直ひろ(さんずいに博士の右側)先生のなんとサンバの熱狂的なグルーヴに乗せた”岩井マジック”の傑作アレンジでお聴きください!
休憩を挟んでの後半は現在74歳、アメリカ吹奏楽界の大御所、ジェイムズ・バーンズ数多の作品の中から、前回取り上げた「交響的序曲」に続いて今回は「交響曲第3番」をお送りします。今から30年前アメリカ空軍軍楽隊の委嘱により1994年に作曲されたこの作品は、今や現代を代表する名曲として知られていますが、作曲者自身が「悲劇的(Tragic)」と呼んでいるように、深い悲しみとそこからの再生を描き出す演奏時間40分に及ぶ大作です。中でも生後半年で亡くなった愛娘ナタリーに捧げた第3楽章のファンタジー世界は吹奏楽の持てるサウンドを最大限に活かして慈愛と祈りの音楽が紡がれ深く心に刻まれます。本日は出版時に割愛されてしまったチェロパートを含む、楽譜上求められるすべてのパートを揃えた超大編成で演奏します。
拙い解説(っていうかほとんど解説していませんが)をお読みくださりありがとうございました。
やまももは今日が10回目の定期演奏会のほか、子どもたちへ向けた音楽鑑賞教室をライフワークにしていたり、21世紀の吹奏楽”響宴”を通してブランニューな作品や吹奏楽の可能性を広くみなさまに知っていただいたり、プロとアマのいいところを融合したハイブリットな演奏を標榜してこれからも活動してまいります。
コロナ禍に行き詰まった活動をクラウド・ファンディングで支援してくださったみなさま、コンサートが中止になる中「やろうよ」と背中を押して「ぜ〜んぶリード!特別演奏会」をご一緒くださった伊藤寛隆先生。
演奏でご恩返しができますように、本日のお客さまに次回もまた足をお運びいただけますように、そして音楽で世界中が笑顔になりますようにみんなで力を合わせてまいります。おしまい。
みなさまいかがでしたでしょうか!
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