パイプオルガンってすごい!

4/18の第7回定期演奏会では、サン=サーンスの「交響曲第3番 《オルガン付き》」を始め、なかなか普段耳にすることのない、パイプオルガンの荘厳な響きを存分に楽しめる、ロイヤルでノーブルなプログラムをご用意しています。

今回の演奏会で主役とも言える、意外と知らない“楽器の王様”パイプオルガンのことを、少しだけご紹介させていただきます。


 
 
■ パイプは長くて、数が多い!

パイプオルガンが“楽器の王様”と呼ばれる理由の一つはその大きさ。
大きな楽器ということは、多くの方がご存知かと思いますが、数字で見てみるとそのスケールに驚かされます。
その名の通り、パイプに空気を送り込んで音を出す仕組みですが、1本のパイプからは一つの音しか出ません。
そのため、高い音から低い音までパイプを揃えなくてはなりません。
長いものだと10メートルを超えるパイプもあります。
また、新宿文化センターのパイプオルガンは、5,061本ものパイプがあるそうです。
なぜこんなに多くのパイプが必要なのでしょうか?
 
 
■ 音色の数がすごい!

それは、様々な音色を出すためなんです!
木製のパイプからは、温かく柔らかいソフトな音が、金属製のパイプからは、明るく華やかな音が出ます。
またリコーダーのように、空気の流れだけで音を出すものもあれば、クラリネットのようにリードを使って音を出すものもあります。
そういった様々な種類のパイプを用意するために数が多くなるわけですね。

ちなみに新宿文化センターのパイプオルガンは、音色(パイプの種類)を切り替える「ストップ」と呼ばれるスイッチがなんと70種類もあります!
スイッチを単体で使う場合もあれば、組み合わせて音色を合成することもできるので、それを考えると・・・
とてもたくさんの音色を表現できる楽器だとおわかりいただけますね!
 
 
■ 巨大な楽器を“操縦”する!?

オルガン奏者が演奏するために使う鍵盤やストップがある場所をコンソール(英語で操作盤の意味)といいます。


↑写真は新宿文化センターのパイプオルガン(コンソール部)
 
 
まるでロボットか何かの操縦席みたい!
新宿文化センターのパイプオルガンは、鍵盤が58鍵✕4段(ピアノは88鍵が1段だけ)、さらに足で踏んで操作する鍵盤が32鍵。
つまり、ピアノの3倍もの数の鍵盤を、両手両足を使って自在に操るんです!すごい!
しかも70種類の音色も切り替えるわけですから…。
オルガニストの大変さ、おわかりいただけましたか?
 
 
今回の演奏会でも共演させていただく、長野県松本市にあるザ・ハーモニーホールの専属オルガニスト、原田靖子さんからやまももにいただいたコメントがこちら。

新宿文化センターのオルガンは学生の頃からよく聴き、よく弾かせていただきました。フランスはケルン社が製作した、フランスのオルガン音楽の演奏に特にふさわしい音色を持つオルガンであり、そういったレパートリーを学ぶ時にも足繁く通ったものでした。思えば、このオルガンの音色やふいごの息遣いは今でも自分の中に息づいています。そんな、特別な愛着を感じているこのオルガンと吹奏楽とのアンサンブルですから、想像するだけでもワクワクします。オルガンという楽器は、他のどの楽器とも異なる非常に独特な言語を持っていますが、発音体が「管」であるという共通点をもつ吹奏楽器とのアンサンブルにおいて特に、その特殊性が浮き彫りになると感じます。ですので、吹奏楽とともに演奏することはオルガニストとしてはまさにエキサイティング、新宿文化センターのフランスオルガンはやまももシンフォニックバンドさんの音色にどう挑むのか、楽しみでなりません。

最後に、原田さんによる演奏をお楽しみください♪


 
 
↓第7回定期演奏会の詳細とチケット購入はこちら↓
https://yamamomo-sb.com/7th/
 
 
参考
新宿文化センター パイプオルガン仕様
Wikipedia ストップ(オルガン)
YAMAHA パイプオルガンの弾き方

さらに、もっと詳しくまとまった良記事がこちら!
ご興味のある方はご覧ください。
音楽之友社 近藤さんと飯田さんと行く! ONTOMOオルガン探検隊