特別三者対談!伊藤寛隆×福島弘和×甘粕宏和

昨年の福川伸陽氏を迎えてのホルン協奏曲に続いて、やまももキセキのコラボ第2弾となりました今回の伊藤寛隆氏によるクラリネット協奏曲。シアワセ4定期に向けてソリスト、作曲者、指揮者、に熱く語っていただきました。

※当記事で取り上げる「クラリネット協奏曲」は2017年1月8日に開催される第4回定期演奏会で世界初演されます。演奏会チケットはページ最下部のボタンからお申し込みいただけます。

=プロフィール=
ito伊藤寛隆 Hirotaka Ito
1968年 鎌倉生まれ。鎌倉市立御成中学校にて吹奏楽部に入部してしまい希望でなかったクラリネットを始めることになる。1年生も後半に差し掛かったころ軽騎兵序曲のソロを吹くことになりこれをきっかけに調子に乗り角田晃先生のレッスンを受け始める。2年生になりジュニアフィルハーモニックオーケストラに入りブラバンとオーケストラの二刀流となり吹奏楽部では部長に。県立茅ヶ崎高校でも部長を務め、高校時代は全日本高校選抜吹奏楽団のメンバーとしても活動しここで当時まだ発売間もないハーモニディレクターの使い方を知り、学生指揮をしながら後に茅ヶ崎高校を20年に渡り指揮を続けることになる。
やまももシンフォニックバンドには長年にわたりクラリネットの指導続けている神奈川大学吹奏楽部の教え子たちがたくさんいるのでこの共演には喜びもひとしおである。日本フィルハーモニー交響楽団 首席クラリネット奏者、国立音楽大学客員准教授、洗足学園音楽大学客員教授、尚美ミュージックカレッジディプロマコース講師、一般社団法人 日本クラリネット協会理事。

fukushima福島弘和 Hirokazu Fukushima
群馬県立前橋南高校卒業、東京音楽大学卒業、同大学研究科修了。作曲を有馬礼子氏に師事する。現在、オーケストラ、吹奏楽曲を中心に作編曲活動をする。演奏にパフォーマンスやコメディーをとりいれたアンサンブル・ポワールを結成し、ユニークな演奏活動を行っている。1997年「稲穂の波」で朝日作曲賞入選、1999年「道祖神の詩」で朝日作曲賞を受賞する。2001年度群馬県で行われた、国民文化祭の吹奏楽創作曲を担当。2003、2007、2012、2013年下谷賞受賞。第20回日本管打・吹奏楽アカデミー賞作・編曲部門受賞 。21世紀の吹奏楽“響宴”会員。

amakasu甘粕宏和 Hirokazu Amakasu
東京音楽大学(フルート)卒業。在学中は汐澤安彦指揮シンフォニックウィンドアンサンブル団長として活躍。アンサンブル・ミュルミュール木管五重奏団としてこれまで5度のリサイタルを開催。現在はバンドディレクターとして全国各地で、また日本吹奏楽指導者クリニックを始めとする各種講習会講師や審査員などをつとめている。ユーモアあふれる実践的な指導や講習会は各地で好評を博している。現在、神奈川大学吹奏楽部、東京都立片倉高等学校吹奏楽部、柏市立柏高等学校吹奏楽部、柏市立酒井根中学校吹奏楽部をはじめ全国数多くのバンド指導に携わっている。スポーツ祭東京2013(東京国体)式典音楽の編曲、開閉会式指揮を担当した。2015年日韓国交正常化50周年記念事業として韓国ソウルにて現地青少年オーケストラを指導、指揮し好評を博す。吹奏楽を小澤俊朗氏に師事。指揮を近藤久敦氏に師事。21世紀の吹奏楽“響宴”会員。やまももシンフォニックバンド指揮者。愛犬家。

dancho団長 Dan-Cho
団員みんなに愛される団長。ファゴット担当。料理上手。
(絵:甘粕画伯)

■クラリネットの魅力を存分に発揮できる作品

ito以前から僕が福島さんにお会いするたびに「曲をかいてよー!」ってお話ししていたんです。それが今回実現してとても嬉しい。おまけに飛びっきり素敵な曲なんだからね、最高です。


fukushimaもちろん伊藤先生のことは思い浮かべながらの作曲でしたけれども、自分がイメージする「クラリネット」という楽器の持つ魅力を存分に発揮できるような作品を、と思って作りました。自分が好きなクラリネットの音って、この曲の2楽章のようにノスタルジックな、夕陽みたいな、家に帰りたくなるような、そんな音。それから1楽章のエキゾチックな民俗っぽさを表現できるところ。それからクラリネット吹きの人柄もあるのかもしれませんが、3楽章のような底抜けに明るい表現。


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amakasu2楽章のクラリネットソロに木質打楽器が絡んでくる冒頭、カリンバをはじめとする民族楽器たちがホントにノスタルジーの世界へ一気に連れて行ってくれます!昨年のホルンの「激ロマンティック」とはまた違う泣かせどころ。少しだけさみしくって、でもあったかくって。


ito新作っていうのは、だいたい譜面が出来てくるのがギリギリだったりで、「音を並べる」で終わってしまうことが多いけれども、今回は福島さんがしっかりした楽譜を上げてくださったので、本番まできちんと時間が取れる。初演をこれだけ練ってできるっていうのはとてもシアワセなことです。


fukushima書きたいこと、やりたいことが思いついたらすぐに紙の切れ端に文字で書き出しておくんです。「Wood Blookとクラ」とか「tomで開始」とか。それが少しずつ広がって曲になっていく。聴かせどころ、勝負どころがたくさんある曲になりましたので、ぜひ初演を生で聴いていただきたいですね。


amakasu初顔合わせのときに、伊藤先生が「大人の音を出そう。大人の音楽をしよう」と呼びかけてくださって。やまももには中学生や高校生のときから知っているメンバーもいます。伊藤先生に学生時代に教わったメンバーもいます。音楽を通して出会っていつの間にか月日が経ち、なおもこうして一緒に音楽を続けている。とてもシアワセなことだと感じます。


itoホントにそうだよね。長いことやっているけど、これだけ教え子たちがいるバンドでコンチェルトを演奏することなんて初めて。学生時代ってある意味苦しんでやっている部分も多いと思う。卒業しても続けていってくれていることが感無量。そこを一番大切にしてメッセージを出してきたつもりなので。


dancho福島先生とは2年連続のシアワセなお付き合いとなりました。昨年の作品とはまた違った作風と、でもやっぱり福島先生の音で、今回も自分自身とっても楽しみです。伊藤先生、やまももにはどのような印象を持たれましたか。


itoまず、ホームページすごいね!(笑)ちゃんとしてる。情報がハッキリわかるし。それからバンドの雰囲気がすごくイイ。コンサートのチラシを見た段階で、おー!このセンス!! いいふざけ方!楽しみ方を知っているバンドだな、って思いました。コンクールへのエントリーをしていないせいもあるのかな、やっぱりコンサートをする喜びを心からわかるようになる。聴き手に伝わる演奏をするためにそれって絶対大切。まだバンドの歴史は浅いのに、もうこれだけのカラーが出せていて、素敵なバンドだなぁ。


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amakasu僕はお調子者といわれます(汗)


ito大事なことでしょー!(笑)


fukushima不可欠なことでしょ!!(笑)


■初演に向けての意気込み

dancho初演まであとひと月足らず。伊藤先生とのステキな絡みも書いていただいたので※(笑)(※曲中にファゴットの団長と、伊藤さんのデュエットが登場する。)、楽しみながら頑張っていきます。先生方、本番にむけてのコメントをお願いします。


itoとにかく福島さんが素晴らしい曲を書いてくださったので、あとはこれを演奏でいかに良いものにするかは演奏者の責任!楽譜上のことだけでなく、福島さんのお人柄、イメージ。ソロパートは相当難しいけど!最高のシチュエーションです。まだ時間があるのでたくさん練ってみんなと一緒に素晴らしい音楽をしたいと思っています!意気込みしかないですよ!!


amakasu2年連続の夢のようなシアワセ企画。一流のプロフェッショナルと一緒にステージに立ち、息遣いを感じるとバンドに化学変化が起きる。もはや魔法です。素敵な作曲家に書いていただいた曲を仲間と読み進め音楽を作り初演できる喜び。そんなステージ上のシアワセパワーをお客様にもお伝えできるようなコンサートにしたいと張り切っています。


fukushima言葉で説明するよりも足を運んでいただければ、耳だけでなく肌で、心で感じていただけるとおもいます。「初演」は一度しかないものです。来ないと損ですよ!(笑)

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(写真:サックス戸邉)

福島弘和作曲、伊藤寛隆独奏の「クラリネット協奏曲」を世界で最初に聴ける演奏会!
~新春にシアワセはこぶ~第4回定期演奏会
2017年1月8日(日) 開演 13:30 (開場 13:00)
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会場:八王子市南大沢文化会館 主ホール
チケット:前売り¥800(当日¥1,000) 全席自由
※未就学児童のご入場はご遠慮ください。
※車椅子をご利用のお客様は事前にご連絡ください。
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